2025/3 workshop Report

写真を通して世界をあじわう - 香 -

写真はきっと、目の前のものを記録するだけのものじゃなくて
そこに写るものの奥には、見えない記憶や感情、言葉にならない思いがあるはず。

等ワークショップでは「ここにあるものを手がかりに、ここにないものを思う」 という感覚を、写真を通してじっくりあじわいます。

今回は、一つの香りをきっかけに思考をめぐらせていきます。
香りを嗅いだ瞬間に心に浮かんだことや感じたことをゆっくり咀嚼しながらカメラを持って外へ。自分の感じたものが、どんな風に写真の中にあらわれるのかを探していきます。撮影後は、撮った写真をコンタクトシートにプリントし表現にあう写真を選びます。
写真と対話しながら、心の奥にあるものを見つめる時間です。

「なんとなく惹かれる」
「どうしてこの写真を撮ったんだろう?」

そんな小さな気づきを大切に。
カメラの技術や経験は問いません。
選んだ写真は香りのついた台紙と共にお持ち帰りいただけます。

いつもより少し、ゆっくりと世界を感じる時間を一緒に過ごしましょう。

前回開催の様子
  •  
  • 香りを感じる時間

     
  • 浮かぶままに言葉を書きつつ、共に対話を。

     
  • 香りを言葉にして、撮影に

     
  • 撮影した写真をコンタクトシートに印刷

     
  • 複数枚で1つの表現に

     

Report

2025年3月、写真表現を体験するワークショップ「写真を通して世界をあじわう - 香 -」を開催。
自身で作詞・作曲を行うシンガーソングライターの方に、ワークショップを受けての感想を伺いました。

「記憶の旅」をしている感覚に

「香り」は、人によって感じ方が違い、言葉にするのが難しい。
すっぱい、甘い、といったシンプルな表現はできても、それ以上の言葉を探そうとすると、結局は過去の経験や記憶と結びつけるしかないなと。気づけば、まるで自分の記憶を旅しているようだった。

写真を撮ること、歌詞を書くこと

私は歌詞を書くけれど、言葉には、「相手を導く丁寧さ」と「強く投げかける傲慢さ」の両方があるように思う。

写真は、撮影者の意図があっても、それが必ずしも伝わるとは限らない。見る人の解釈にゆだねられるからこそ、自由度が高く、おもしろさと難しさが共存する表現だと感じた。

そう考えると「俳句」は写真に近い表現なのかも——。
ルールがあるからこそ、短い言葉の中に広がりを持たせられる。写真も同じように、「今ある風景を切り取る」という制約があるからこそ、さまざまな解釈が生まれるのかもしれない。