2025/7 workshop Report
写真を通して世界をあじわう-表現-
写真を撮るとき、「映えるように」とか「ちゃんと写っているように」と、つい “他人からどう見えるか” や “何をしたかを残せているか” に意識が引っ張られてしまう──
SNSが当たり前になった今、写真は「見せるもの」「記録するもの」としての役割が強くなり
“その時、自分が何を感じていたか”という視点が、ついつい置き去りに。
そして気づけば、みんな似たような写真になっている、なんてもことも。
このワークショップでは、「目の前にあるもの」をどう撮るか、ではなく、
「自分が感じたことを、どう撮るか」 に意識を向けてみます。映えでも記録でもない、自分の写真。
“空気感”というものを写す視点を見つけていく、そんな機会に。
「表現としての写真」と「記録に雰囲気を取り入れる写真」
2つの軸で実際に具体的な思考も織り交ぜてお話をさせていただき、実際のワークでは「夏の夜」をテーマに撮影。それぞれが切り取った“雰囲気の断片”を持ち寄り、視点を共有する時間となりました。
自分らしい写真ってなんだろう。
自分のためだけじゃなく、誰かに伝えるための“雰囲気写真”とは?
自分にしか見えない視点と、見る人に伝わる視点——その“割合”をどう捉えるか、など。質問をいただき、今の自分なりの考えをお話させてもらいました。
写真には、自分が写り込む。視点や意図がにじみ出るからこそ、「自分らしさを撮らなきゃ」と構えすぎなくてもいいのではないかなと、思ってます。
私は、写真から読み取れるものを(得意ではないなりに)言葉にして、必要なときに意図的に引き出せるようにしたいと思っていて。そして、得た視点をもとに企画や作品をつくったり、また誰かに渡していくことを続けていきたいなと。
そんなことを考える、よき時間でした。
ありがとうございます。
WSを終えて、ご感想より
・写真の表現に分類があると知り、目から鱗でした。これからは「記録」か「雰囲気」か「表現」かを意識して撮ってみます。
・「カメラの目」を持つという行為が、感性を大きく磨くのだと感じました。世界を素材として見ると、何気ないゴミでさえもアートのように映るんですね。
・座学だけでなくワークもあり、とても楽しく学びが深まりました。
・「カメラ目」という言葉を初めて耳にしましたが、自分とは全く違う世界が見えていて大変興味深かったです。
・「いい感じの雰囲気写真の撮り方」を説明するのは難しそうだと思っていましたが、とてもイメージしやすい言葉と例をありがとうございます。「説明になりがち」「雰囲気の要素を分解する」といった視点も勉強になりました。
・写真の撮り方の世界に触れ、いつもと違う脳の回路がざわざわしました。記録写真と雰囲気写真を意識できるようになったことが、とても貴重な経験になりました。